辛口の酒②

 現在辛口の指標とされているのが「日本酒度」と呼ばれるものです。

しかし、結論から申し上げると「日本酒度」を甘辛の指標にするのは難しいです。同じような香りや味わいであれば傾向はありますが。もともと日本酒度は蔵元で発酵の進み具合を確認するために使われているものであり、味の指標ではなかったわけです。

さて、ラベルに「辛口」「超辛口」と記載されている酒の日本酒度を見てください。+8、+10、+12、最も高いもので+21というものもあります。多くのお酒が±0~+5ぐらいですが、この数字が大きいほど「辛口」、小さいもの(マイナス)が「甘口」ということになっております。お酒は糖分がアルコールに分解されて造られますので、発酵が進むにつれ軽くなります(アルコールは水より軽い)。水を基準に軽くなればなるほど日本酒度は大きく、逆に重くなると小さく(マイナスの数字が増える)なるということです。

さて日本酒度が高いと本当に辛いのでしょうか。実は甘辛の指標にできないのが悩ましいところです。日本酒の味わいは、香りや酸味、旨味、コク、後味などが複雑に絡み合ったものです。すでに検証されておりますが、同じ日本酒度でも酸が強いと辛く感じる、フルーティーな香りやカラメル様の香りが強いと甘く感じるということです。またアルコール度が高いと軽くなりますので日本酒度が高くなります。別途解説しますが、酸度、アミノ酸度という指標があり、それぞれ人が感じる甘辛に影響しますので日本酒度単独で判断はできないということです。

こうなると飲んでみなければわからないということになりますが、辛口のお酒の注文があった時は、香りが強くなく、すっきり系のものを選ぶようにしております。しずく会では辛口の酒として、静岡県‘正雪’超辛口純米(12)、三重県‘滝自慢’滝水流(はやせ)辛口一徹純米(9)、滋賀県‘北島’玉栄辛口純米酒無濾過生(13)、等を提供しております。お客様にはさっぱりしたものか、旨味のあるものか、もお尋ねするようにしております。

日本酒の味覚成分はワインの約2倍あり、世界のお酒の中でダントツに多いと言われております。糖分だけでなく酸や香り成分などさまざまなものが美味しさを醸しますので、いろいろと飲んで是非ご自分のお気に入りの味を覚えていただければと思います。「辛口」にもう一言加えて注文なされば、一歩酒通に近づきます!

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