菩提酛(もと)と正暦寺

 清酒発祥の地、奈良県の正暦寺に行ってきた。奈良駅からタクシーで30分の山間にある不便な場所だが、日本酒造りの革新的な技術が開発された場所でもある。

その技術とは①酒母造り(生酛造りの原型)、②精白米を使う諸白(もろはく)、③段仕込み(3段仕込み)、④火入れ殺菌、であり、室町時代(1400年初め)に開発された。

菩提酛とは

菩提酛は別名「水もと」とも呼ばれ、仕込み水に生米と蒸米を入れ乳酸菌発酵させた酸性の「そやし水」を仕込み水に使う方法である。この酸性のそやし水を用いることによって、発酵を阻害する雑菌の繁殖を抑えられ、酵母が安定して活動できる環境が整うことになる。 

1)正暦寺の寺領で栽培された生米と蒸米を、正暦寺の水に浸け、

  乳酸菌を繁殖させ、「そやし水」を作る

2)乳酸を大量に含んだ「そやし水」を仕込み水として、浸けていた生米を蒸米にする

3)蒸米を麴で糖化、これで菩提酛は完成

4)境内で分離した「正暦寺酵母」とともに発酵させる

 

現在、奈良の酒蔵8社が復元した手法で酒造りをしており、購入することもできる。

  • 「純米酒 菩提酛 升平(しょうへい) (奈良市・八木酒造)
  • 「菩提酛 純米酒 つげのひむろ」 (奈良市・倉本酒造)
  • 「両白(もろはく) 菩提酛 純米」 (奈良市・西田酒造)
  • 「嬉長(きちょう) 菩提酛 純米」 (生駒市・上田酒造)
  • 「菊司(きくつかさ) 菩提酛 純米」 (生駒市・菊司醸造)
  • 「鷹長 菩提酛 純米酒」 (御所市・油長酒造)
  • 「三諸杉(みむろすぎ) 菩提酛 純米」 (桜井市・今西酒造)
  • 「やたがらす 菩提酛 浩然の気」 (吉野町・北岡本店)
  • 「百楽門(ひゃくらくもん) 菩提酛仕込純米」 (御所市・葛城酒造)


コメント

このブログの人気の投稿

吟醸酒の香りと酵母

生酛(きもと)・山廃(やまはい)

錫(すず)のちろり