酸度とアミノ酸度

 前ブログでお話ししたように、甘辛の感じ方はその目安になると言われている日本酒度だけでなく、アルコール分、酸度や香気成分、ゴク味やコクと表現される複雑な濃醇味の影響によっても左右されます。

 さらに人間の官能は、酒の温度やきき酒の前に食べたものによって感じ方が異なってきます。熱燗、上燗、ぬる燗、あるいは冷やなど飲む際の温度の違いも甘辛の感じ方に影響します。同じ酒でも、甘いものを食べた後には酸っぱく辛いと感じ、酸っぱいものや辛いものを食べた後で飲むと甘く感じたりします。

そういう意味でワインのソムリエと同様の機能が、日本酒にも求められているとかねがね考えています。海外で日本酒が普及した際には、現ソムリエがその役割をになうことになるかもしれません。ただ日本料理店にはソムリエはいないので、接客担当の女将がお酒を勉強するのでしょうか?

味は大変複雑な要因で感じるものなので、ここではシンプルに日本酒タイプを推察するために、前回の‘日本酒度’に加え「酸度」「アミノ酸度」について解説します。

<酸度>

日本酒の酸味は、主に乳酸やコハク酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸由来のものです。これらの酸の量を数値化したものが「酸度」になります。有機酸は醸造中に作られますが、それぞれの酸の量によって同じ酸度であっても酸味の感じ方は異なります。乳酸が多いと柔らかくふくよかな印象を伴い、コハク酸が多いと旨味や苦味によって濃醇さにつながり、またリンゴ酸やクエン酸が多いと爽やかさに通じます。ただ個々の酸の量はラベルに記載されていないので、総量から判断せざるを得ないのが悩ましいところです。

でも酸度の違いは比較的わかりやすいので、いろいろ試していただければと思います。一般的には、酸度が1.0以下だと柔らかな味わい、1.5以上だとしっかりした印象を感じます。また日本酒度が同じ場合、酸度が高いほど辛口に感じます。

<アミノ酸度>

旨味を表す指標と言われておりますが、アミノ酸の種類によって甘味、酸味、苦味を感じるものもあり、単純ではありません。和食で重要な役割の担う‘出汁’の一つであるグルタミン酸もアミノ酸ですね。専門的になりますので、大まかにアミノ酸度が1.0を超えると濃醇と表現できる味わいになると覚えておけば良いでしょう。アミノ酸度が高いと濃厚で芳醇でコク深い味わいになるので、甘口に感じるということになります。

一般論として日本酒本にしばしば利用される資料ですが、日本酒度と酸度を軸としたマップを添付しましたので参考にしてください。これほど単純には語れませんが、酒タイプを知る目安として活用してください。





コメント

このブログの人気の投稿

吟醸酒の香りと酵母

生酛(きもと)・山廃(やまはい)

錫(すず)のちろり